報酬規程-backup
平成28年7月22日改訂
第1章 はじめに
第2章 法律相談料・書面作成手数料
第3章 着手金・報酬金
第1節 民事事件
第2節 家事事件
第3節 刑事・少年事件
第4節 債務整理・倒産事件
第4章 手数料
第5章 タイムチャージ
第6章 顧問料
第7章 日当
第8章 実費
附 則
第1章 はじめに
(目的)
第1条 この規程は、コスモス法律事務所(以下「法律事務所」といいます。)の弁護士がその職務の対価として受ける弁護士報酬及び実費等について定めます。
2 次の各号の一に該当するときは、弁護士報酬を適正妥当な範囲内で減額することがあります。
(1) 依頼者から複数の事件等を受任し、かつその紛争の実態が共通であるとき。
(2) 複数の依頼者から同一の機会に同種の事件等につき依頼を受け、委任事務処理の一部が共通であるとき。
3 前項に定める場合のほか、依頼者が経済的資力に乏しいときその他特別の事情があるときは、弁護士報酬の支払時期を変更し、又はこれを減額もしくは免除することができます。
(弁護士報酬の種類)
第2条 弁護士報酬は、法律相談料、書面作成手数料、着手金、報酬金、手数料、タイムチャージ、顧問料及び日当とします。
2 前項の用語の意義は、次表のとおりとします。
法律相談料 |
依頼者に対して行う法律相談(口頭による鑑定、電話による相談を含みます。)の対価をいいます。 |
書面作成手数料 |
①依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明の対価、②依頼者が行う法律行為に関する契約書の作成の対価、③通知書、催告書等の簡単な法律文書の作成、送付の対価をいいます。④ただし、メールによる短い通信文については、法律相談に準じて扱います。 |
着 手 金 |
事件の依頼を受けたときに、委任事務処理の結果のいかんにかかわらず受けるべき委任事務処理の対価をいいます。 |
報 酬 金 |
委任事務処理の結果に成功不成功があるものについて、事件等の終了したときに、その成功の程度に応じて受ける委任事務処理の対価をいいます。 |
手 数 料 |
着手金と報酬金とに分けずに、原則として1回で支払いを受ける委任事務処理の対価をいいます。 |
タイムチャージ |
弁護士の1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその委任事務処理に要した時間(移動に要する時間を含みます。)を乗じた額によって算出される委任事務処理の対価をいいます。 |
顧 問 料 |
契約によって継続的に行う一定の法律事務の対価をいいます。 |
日 当 |
弁護士が、委任事務処理のために事務所所在地を離れ、移動によってその事件等のために拘束されることの対価をいいます。 |
(事件等の個数と弁護士報酬の支払時期)
第3条 弁護士報酬は、個々の依頼者毎に、かつ事件1件毎に定めます。
2 裁判上の事件は審級毎に、裁判外の事件等は当初依頼を受けた事務の範囲をもって1件とし、裁判外の事件等が裁判上の事件に移行したときは別件とします。
3 前項の定めにかかわらず、裁判上の事件について引き続き上訴審を受任するときは、報酬金は最終に受任した審級のみについて支払いを受けます。
(弁護士の説明義務等)
第4条 弁護士は依頼者に対し、法律事務を受任するに際し、あらかじめ事件の処理の方針を示した上で、それと関連付けて、弁護士報酬等について十分に説明します。
2 弁護士は、事件等を受任したときは、原則として、事件等の表示、受任の範囲、弁護士報酬等の額及び支払時期その他の特約事項を記載した委任契約書を作成しますが、受任時には未だ係争の対象となっている経済的価値を判定しがたい場合、その他委任契約書を作成することに困難な事由があるときは、その事由が止んだ後、これを作成するものとします。ただし、受任した法律事務が、法律相談、簡易な書面の作成等であるときその他合理的な理由があるときはこの限りではありません。
(消費税に相当する額)
第5条 弁護士報酬の支払時には、消費税法(昭和63年法律第108号)に基づいて課される消費税の額に相当する額を付加して頂きます。
第2章 法律相談料・書面作成手数料
(法律相談料)
第6条 法律相談料は、30分以内5,000円とし、以後30分毎に5,000円を加算することとしますが、相談内容の難易、複雑さ、検討材料の多寡等によって増減できるものとし、単なる人生相談に準ずる場合には免除することがあります。
(書面作成手数料)
第7条 依頼者に対して行う書面による法律上の判断又は意見の表明を目的とする書面の作成手数料は、50,000円以上、300,000円以下としますが、事案が特に複雑又は特殊な事情があるときに作成する鑑定書については、別途、依頼者と協議のうえ予め決定したところに従い、鑑定料を受けることができます。
2 依頼者が行う法律行為に関する契約書の作成手数料は、50,000円以上、300,000円以下としますが、複雑な法律問題に関する契約、または経済的規模の大きな契約、その他これに準ずる場合には、経済的規模の0.1%から0.5%までの範囲内の金額を、これに加算することができるものとします。
3 通知書、催告書等の簡単な法律文書の作成、送付の対価としての書面作成手数料は、20,000円以上、50,000円以下とします。
第3章 着手金・報酬金
(着手金及び報酬金)
第8条 第4章及び第5章に定める場合を除き、依頼者から事件を受任する時には、弁護士は、本章に定める着手金及び報酬の支払いを受けます。
第1節 民事事件
(民事事件の着手金及び報酬金の算定基準)
第9条 民事事件の着手金及び報酬金については、原則として、着手金は係争の対象となっている経済的価値を、報酬金は委任事務処理により確保された経済的価値を基準として、それぞれ算定します。
(経済的価値 - 算定可能な場合)
第10条 前条の経済的価値は、原則として次のとおり算定します。係争の対象となっている経済的価値が紛争の実態に比して明らかに大きいときは、紛争の実態に相応すると合理的に認められる額を経済的価値とします。
(1) 金銭債権は債権総額
(2) 継続的給付債権は債権総額の10分の7の額。ただし、期間不定のものは、7年分の額。
(3) 賃料増減額請求事件は増減額分の7年分の額。
(4) 所有権は対象たる物の時価相当額。建物についての所有権に関する事件は、建物の時価相当額にその敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
(5) 占有権、地上権、永小作権、賃借権及び使用借権は対象たる物の時価の2分の1の額。ただし、その権利の時価が対象たる物の時価の2分の1の額を超えるときは、その権利の時価相当額。建物についての占有権、賃借権及び使用借権に関する事件は、前記の額に、その敷地の時価の3分の1の額を加算した額。
(6) 地役権は承役地の時価の2分の1の額。
(7) 担保権は被担保債権額。ただし、担保物の時価が債権額に達しないときは、担保物の時価相当額。
(8) 不動産についての所有権、地上権、永小作権、地役権、賃借権及び担保権等の登記手続請求事件は第4号ないし前号に準じた額。
(9) 詐害行為取消請求事件は取消請求債権額。ただし、取消される法律行為の目的の価額が債権額に達しないときは、法律行為の目的の価額。
(10) 共有物分割請求事件は対象となる持分の時価。
(11) 金銭債権についての民事執行事件は請求債権額。ただし、執行の目的物の時価が債権額に達しないときは、第1号の規定にかかわらず、執行対象物件の時価相当額(担保権設定、仮差押等の負担があるときは、その負担を考慮した時価相当額)。
(経済的価値 - 算定不能な場合)
第11条 前条により経済的価値を算定することができないときは、その額を800万円とみなします。ただし、事件等の難易、軽重、手数の繁簡及び依頼者の受ける利益等を考慮して、適正妥当な範囲内で増減額することができます。
(民事事件の着手金及び報酬金)
第12条 訴訟事件(手形・小切手訴訟事件を除く。)、非訟事件、行政審判等事件及び仲裁事件(次条に定める仲裁センター事件を除く。)の着手金及び報酬金は、経済的価値を基準として、それぞれ次表のとおり算定します。ただし、それらの事件の着手金は、100,000円を最低額とします。
経済的価値 |
着 手 金 |
報 酬 金 |
300万円以下の場合 |
8% |
16% |
300万円を超え3,000万円以下の場合 |
5%+90,000円 |
10%+180,000円 |
3,000万円を超え3億円以下の場合 |
3%+690,000円 |
6%+1,380,000円 |
3億円を超える場合 |
2%+3,690,000円 |
4%+7,380,000円 |
2 前項の着手金及び報酬金は、事件の内容により、30%の範囲内で増減額することができます。
3 民事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2項にかかわらず、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
4 手形・小切手訴訟事件の着手金及び報酬金は、前各項の規定により算定された額の2分の1とします。
(民事調停事件及び示談交渉事件)
第13条 民事調停事件、示談交渉(裁判外の和解交渉と契約締結交渉とをいいます。以下同じ。)事件及び弁護士会が主宰する「仲裁センター」等の紛争解決機関への申立事件(以下「仲裁センター事件」といいます。)の着手金及び報酬金は、それぞれ前条の規定を準用しますが、それぞれの規定により算定された額の3分の2に減額することができます。ただし、それらの事件の着手金は、100,000円を最低額とします。
2 示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前条の各規定により算定された額から示談交渉事件により支払われた着手金額を控除した残額とします。ただし、実質的に継続して示談交渉が行われた場合には、前条の各規定により算出された額の2分の1とすることがあります。
3 示談交渉事件、調停事件又は仲裁センター事件から引き続き訴訟その他の事件を受任するときの着手金についても、前項に準ずるものとします。
(督促手続事件)
第14条 督促手続事件の着手金は、50,000円以上、100,000円以下とします。
2 督促手続事件が訴訟に移行したときの着手金は、訴訟事件の着手金と前項の規定により算定された額との差額とします。
3 督促手続事件の報酬金は、第12条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、依頼者が金銭等の具体的な回収をしたときでなければ、これを請求することができません。
4 前項ただし書に規定する金銭等の具体的な回収をするため、民事執行事件を受任するときは、弁護士は、前各項の着手金又は報酬金とは別に、民事執行事件の着手金として第12条の規定により算定された額の3分の1を、報酬金として同条の規定により算定された額の4分の1を、それぞれ受けることができます。
(借地非訟事件)
第15条 借地非訟事件の着手金は、借地権の額を基準として、次表のとおりとします。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
借地権の額 |
着 手 金 |
5,000万円以下の場合 |
300,000円以上1,000,000円以下 |
5,000万を超える場合 |
前段の額に5,000万円を超える部分の1%を加算した額 |
2 借地非訟事件の報酬金は、前項の規定により算定された額の2倍とします。
3 借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件及び示談交渉事件の着手金及び報酬金は、事件の内容により、第1項の規定による額又は前項の規定により算定された額の、それぞれ3分の2に減額することができます。
4 借地非訟に関する示談交渉事件から引き続き調停事件又は仲裁センター事件を受任するとき、および、借地非訟に関する調停事件、仲裁センター事件又は示談交渉事件から引き続き借地非訟事件を受任するときの着手金は、第13条第2項、第3項の規定を準用します。
(保全命令申立事件等)
第16条 仮差押及び仮処分の各命令申立事件(以下「保全命令申立事件」といいます。)の着手金は、第12条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定によります。
2 前項の事件が重大又は複雑なときは、第12条の規定により算定された額の4分の1から2分の1の報酬金を受けることができます。ただし、審尋又は口頭弁論を経たときは、同条の規定により算定された額の2分の1から3分の2の報酬金を受けることができます。
3 第1項の手続により本案の目的を事実上達したときは、前項の規定にかかわらず、第12条の規定に準じて報酬金を受けることができます。
4 保全執行事件は、その執行が重大又は複雑なときに限り、保全命令申立事件とは別に着手金及び報酬金を受けることができるものとし、その額については、次条第1項及び第2項の規定を準用します。
5 第1項の着手金及び第2項の報酬金並びに前項の着手金及び報酬金は、本案事件と併せて受任したときでも、本案事件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。
6 保全命令申立事件及び保全執行事件の着手金は、100,000円を最低額とします。
(民事執行事件等)
第17条 民事執行事件の着手金は、第12条の規定により算定された額の2分の1とします。
2 民事執行事件の報酬金は、第12条の規定により算定された額の4分の1を下限とします。
3 民事執行事件の着手金及び報酬金は、本案事件に引き続き受任したときでも、本案事 件の着手金及び報酬金とは別に受けることができます。ただし、着手金は第12条の規定により算定された額の3分の1を下限とします。
4 執行停止事件の着手金は、第12条の規定により算定された額の2分の1とします。ただし、本案事件に引き続き受任するときは、同条の規定により算定された額の3分の1以上とします。
5 前項の事件が重大又は複雑なときは、第12条の規定により算定された額の4分の1以上の報酬金を受けることができます。
6 民事執行事件及び執行停止事件の着手金は、100,000円を下限とします。
第2節 家事事件
(離婚事件等)
第18条 離婚事件の着手金及び報酬金は、次表のとおりとします。ただし、同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、着手金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
離婚事件の内容 |
着手金及び報酬金 |
離婚交渉事件 |
200,000円 |
離婚調停事件、離婚仲裁センター事件 |
300,000円以上1,000,000円以下 |
離婚訴訟事件 |
500,000円以上2,000,000円以下 |
2 離婚交渉事件から引き続き離婚調停事件又は離婚仲裁センター事件を受任するときの着手金は、前項の規定による離婚調停事件の着手金の額から離婚交渉事件により支払われた着手金額を控除した残額とします。ただし、実質的に継続して示談交渉が行われた場合には、前項の各規定により算定された額の2分の1とすることがあります。
3 離婚調停事件から引き続き離婚訴訟事件を受任するときの着手金についても前項を準用します。
4 前3項において、財産分与、慰謝料など財産給付を伴うときは、弁護士は、財産給付の実質的な経済的価値の額を基準として、第12条の規定により算定された着手金及び報酬金の額以下の適正妥当な額を加算して請求することができます。
5 離婚事件以外の家事事件については、第4章に定めのある場合を除き、前各項に準ずるものとします。
(遺産分割等の相続事件)
第19条 遺産分割請求事件および遺留分減殺請求事件の着手金および報酬金は、家事調停事件については第13条の定めを、家事審判事件については第12条の定めを準用します。ただし、係争の対象となっている経済的価値は、原則として次の通り算定します。
(1) 遺産分割請求事件は対象となる相続分の時価相当額。
(2) 遺留分減殺請求事件は対象となる遺留分の時価相当額。
2 前項の定めにもかかわらず、一定の財産を取得することについて相続人間に争いがない場合にはその余の財産の時価相当額をもって経済的価値とすることができ、また、相続財産の配分について相続人間に争いがない場合には第11条を準用することができるものとします。
第3節 刑事・少年事件
(刑事事件の着手金)
第20条 刑事事件の着手金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 |
着 手 金 |
起訴前及び起訴後(第1審及び上訴審をいいます。以下同じ。)の事案簡明な事件 |
200,000円以上500,000円以下 |
起訴前及び起訴後の前段以外の事件及び再審事件 |
300,000円以上 |
再審請求事件 |
500,000円以上 |
2 前項の事案簡明な事件とは、特段の事件の複雑さ、困難さ又は繁雑さが予想されず、委任事務処理に特段の労力又は時間を要しないと見込まれる事件であって、起訴前については事実関係に争いがない情状立証のみを必要とする事件、起訴後については公判終結までの公判開廷数が2ないし3開廷程度と見込まれる情状立証のみを必要とする事件を、上告事件は事実関係に争いがない情状事件をいいます。
3 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の着手金は、第12条の規定により算定された金額とします。
(刑事事件の報酬金)
第21条 刑事事件の報酬金は、次表のとおりとします。
刑事事件の内容 |
結 果 |
報 酬 金 |
|
事案簡明な事件 |
起訴前 |
不起訴 |
200,000円以上 500,000円以下 |
求略式命令 |
前段の額を超えない額 |
||
起訴後 |
刑の執行猶予 |
200,000円以上 500,000円以下 |
|
求刑された刑が軽減された場合 |
前段の額を超えない額 |
||
前段以外の刑事事件 |
起訴前 |
不起訴 |
300,000円以上 |
求略式命令 |
300,000円以上 |
||
起訴後 を含みます。) |
無罪 |
500,000円以上 |
|
刑の執行猶予 |
300,000円以上 |
||
求刑された刑が軽減された場合 |
軽減の程度による相当な額 |
||
検察官上訴が棄却された場合 |
300,000円以上 |
||
再審請求事件 |
|
|
300,000円以上 |
2 前項の事案簡明な事件とは、前条の事案簡明な事件と見込まれ、かつ結果において予想された委任事務処理量で結論を得た事件をいいます。
3 検察官の上訴の取下げ又は免訴、公訴棄却、刑の免除、破棄差戻若しくは破棄移送の言渡しがあったときの報酬金は、それまでに弁護人が費やした時間及び執務量を考慮したうえ、第1項の規定を準用します。
4 会社犯罪事件、業務上横領事件、脱税事件の報酬金は、第12条の規程により算定された金額とします。
(刑事事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合等)
第22条 起訴前に受任した事件が起訴(求略式命令を除きます。)され、引き続いて同一弁護士が起訴後の事件を受任するときは、合計額が第20条第1項の範囲内にあるような追加着手金を受けることができるものとします。
2 刑事事件につき同一弁護士が引き続き上訴事件を受任するときは、前2条の規定にかかわらず、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
3 弁護士は、追加して受任する事件が同種であることにより、追加件数の割合に比して1件あたりの執務量が軽減されるときは、追加受任する事件につき、着手金及び報酬金を適正妥当な範囲内で減額することができます。
(保釈等)
第23条 保釈、勾留の執行停止、抗告、即時抗告、準抗告、特別抗告、勾留理由開示等の申立事件の着手金及び報酬金は、依頼者との協議により、被疑事件又は被告事件の着手金及び報酬金とは別に、相当な額を受けることができます。
(告訴、告発等)
第24条 告訴、告発、検察審査の申立等の手続の着手金は、1件につき300,000円以上とし、仮釈放、仮出獄、恩赦等の手続の着手金は、1件につき100,000円以上とし、報酬金は、依頼者との協議により受けることができます。
(少年事件の着手金及び報酬金)
第25条 少年事件(家庭裁判所送致前の少年の被疑事件を含みます。以下同じ。)の着手金は、次表のとおりとします。
少年事件の内容 |
着 手 金 |
身柄が拘束されている事件 |
300,000円以上 |
身柄が拘束されていない事件 |
200,000円以上 |
抗告、再抗告及び保護処分の取消 |
200,000円以上 |
2 少年事件の報酬金は、次表のとおりとします。
少年事件の結果 |
報 酬 金 |
非行事実なしに基づく審判不開始又は不処分 |
300,000円以上 |
身柄事件で非行事実認定に基づく審判不開始、不処分又は保護観察 |
300,000円以上 |
在宅事件で非行事実認定に基づく審判不開始、不処分又は保護観察 |
200,000円以上 |
3 弁護士は、着手金及び報酬金の算定につき、家庭裁判所送致前の受任か否か、非行事実の争いの有無、少年の環境調整に要する手数の繁簡、身柄付の観護措置の有無、試験観察の有無等を考慮するものとし、依頼者と協議のうえ、事件の重大性等により、前2項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
4 第2項に定める場合以外においても、報酬金を受領することが相当とする結果が得られたときは、依頼者との協議により、第2項及び前項に準じた報酬額を受領することができます。
(少年事件につき同一弁護士が引き続き受任した場合)
第26条 家庭裁判所送致前に受任した少年事件は、家庭裁判所に送致されても1件の事件とみなします。
2 少年事件につき、同一弁護士が引き続き抗告審等を受任するときは、前条の規定にかかわらず、抗告審等の着手金及び報酬金を、適正妥当な範囲内で減額することができます。
3 弁護士は、送致された事件が複数である場合及び事件が追加して送致され併合された場合でも、着手金及び報酬金の算定については引き続き1件の少年事件として扱うものとします。ただし、追加送致された事件により、少年の環境調整などのために著しく執務量を増加させるときには、追加受任する事件につき、依頼者との協議により適正妥当な着手金を受領することができます。
4 少年事件が刑事処分相当として家庭裁判所から検察官に送致されたときの刑事事件の弁護士報酬は、本章第3節の規定によります。ただし、同一弁護士が引き続き刑事事件を受任するときの着手金は、その送致前の執務量を考慮して、受領済みの少年事件の着手金の額の範囲内で減額することができます。
第4節 債務整理・倒産事件
(事業者の任意整理事件)
第27条 事業者が負担する債務の任意整理事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、1,000,000円以上の額とします。ただし、事業や資産負債の規模が小さく、他に事業を譲渡して自らは清算する場合の着手金は、300,000円以上の額とし、事業を廃止して清算のみを行う場合の着手金は200,000円以上の額とします。
2 前項の事件により債務者の再建が遂げられた場合の報酬については、第30条第2項ないし第3項を準用します。
3 第1項の事件が清算により終了したときの報酬金は、債務の弁済に供すべき金員又は代物弁済に供すべき資産の価額(以下「配当原資額」といいます。)を基準として、次の各号の表のとおり算定します。
(1) 弁護士が債権取立、資産売却等により集めた配当原資額について
配当原資額 |
報 酬 金 |
500万円以下の場合 |
15% |
500万円を超え1,000万円以下の場合 |
10%+250,000円 |
1,000万円を超え5,000万円以下の場合 |
8%+450,000円 |
5,000万円を超え1億円以下の場合 |
6%+1,450,000円 |
1億円を超える場合 |
5%+2,450,000円 |
(2) 依頼者及び依頼者に準ずる者から任意提供を受けた配当原資額について
配当原資額 |
報 酬 金 |
5,000万円以下の場合 |
3% |
5,000万円を超え1億円以下の場合 |
2%+500,000円 |
1億円を超える場合 |
1%+1,500,000円 |
4 第1項の事件が、債務の減免、履行期限の猶予又は企業継続等により終了したときの報酬金は、第29条第2項の規定を準用します。
(多重債務者の任意整理事件)
第28条 多重債務者が負担する債務の任意整理の手数料は、1債権者につき20,000円とします。
2 前項の事件の処理に伴い、貸金業者から過払金の不当利得の返還を受けたときは、返還額について第12条の規定により算定される額の報酬金を受けることができるものとします。
(倒産整理事件)
第29条 破産、特別清算及び会社更生の各事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額並びに関係人の数等事件の規模に応じて定め、それぞれ次の額とします。ただし、前記各事件に関する保全事件の弁護士報酬は、次に述べる着手金に含まれます。
倒産整理事件の内容 |
着 手 金 |
(1)会社の自己破産事件 |
500,000円以上 |
(2)個人の自己破産事件 |
300,000円以上 |
(3)自己破産以外の破産事件 |
1,000,000円以上 |
(4)特別清算事件 |
予納金の金額以上 |
(5)会社更生事件 |
同上 |
2 前項の各事件の報酬金は、第12条の規定を準用します。この場合の経済的価値は、配当額、配当資産、免除債権額、延払いによる利益及び企業継続による利益等を考慮して算定します。ただし、前項第2号の事件は報酬金を受けないものとします。
(民事再生事件)
第30条 民事再生事件の着手金は、資本金、資産及び負債の額、関係人の数等事件の規模並びに事件処理に要する執務量に応じて定め、それぞれ次の各号に掲げる額とします。ただし、民事再生事件に関する保全事件の弁護士報酬は、着手金に含まれます。
民事再生事件の内容 |
着 手 金 |
(1) 事業者の民事再生事件 |
予納金の金額以上 |
(2) 小規模個人再生及び給与所得者等再生事件 |
300,000円以上 |
2 事業者の民事再生事件の報酬金は、民事再生計画認可決定を受けたときに受けることができるほか、依頼者につき民事再生手続きが開始されたとき、依頼者が民事再生手続き終結決定を受けたときにも、依頼者との協議により、支払を受けることができます。
3 前条第2項の規定は、前項の報酬金の決定について準用します。
4 弁護士は、依頼者が再生手続開始決定を受けた後民事再生手続が終了するまでの執務の対価として、依頼者との協議により、毎月相当額の弁護士報酬を受けることができますが、その場合、第2項の報酬の算定に当たっては、当該報酬金の額を考慮します。
5 小規模個人再生、給与所得者再生事件については、再生手続開始後の手続が困難、複雑であった場合に限り、依頼者との協議により、第1項の着手金につき掲げた金額の範囲内で報酬金を受けることができます。ただし、免責された金額を経済的価値として第12条の規定により算定された額を超えることができないものとします。
6 民事再生法第235条に基づく免責申立事件(免責異議申立事件を含みます。)の着手金は、第1項第2号の規定により算定された額の2分の1とします。この場合の報酬金は、前項の規定を準用します。
第4章 手数料
(手数料)
第31条 手数料は、この規程に特に定めのない限り、事件等の対象の経済的価値を基準として、次の各号の表に掲げる項目について、同表に定める手数料を、職務の対価として受けることとします。なお、経済的価値の額の算定については、第10条および第11条の規定を準用します。
1 裁判上の手数料
項 目 |
分 類 |
手 数 料 |
証拠保全 (本案事件を併せて受任したときでも本案事件の着手金とは別に受けることができます。) |
基本 |
300,000円に第12条第1項の着手金の規定により算定された額の10.5%を加算した額 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
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即決和解 |
示談交渉を要しない場合 |
1,000万円以下の場合 200,000円 |
示談交渉を要する場合 |
第13条の規定により算定される額を加算する。 |
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公示催告 |
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即決和解の示談交渉を要しない場合の2分の1 |
倒産整理事件等の債権届出 |
基本 |
50,000円以上500,000円以下 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
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法定成年後見、保佐、補助開始決定申立事件 |
基本 |
200,000円以上500,000円 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
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簡易な家事審判 |
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100,000円以上500,000円以下 |
相続放棄申述申立事件 |
基本 |
1申述につき50,000円 |
特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
2 裁判外の手数料
項 目 |
分 類 |
手 数 料 |
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任意後見契約又は任意代理契約 |
任意後見契約又は任意代理契約締結に先立って行う依頼者の事理弁識能力の有無及び程度、財産状況その他依頼者の財産管理又は身上監護に当たって把握すべき事情等の調査 |
基本 |
50,000円以上200,000円以下 |
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特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
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任意後見契約締結後から当該契約が効力を生ずるまで、又は任意代理契約締結後から当該契約に基づく財産管理が開始されるまでの間になされる訪問による面談 |
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1訪問につき5,000円以上30,000円以下 |
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委任事務の処理 |
任意後見契約又は任意代理契約に基づく基本委任事務(依頼者の日常生活を営むために必要な基本的な事務をいいます。以下同じ。)の処理 |
月額5,000円以上50,000円以下
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基本委任事務の範囲外の事務処理 |
基本委任事務に加えて収益不動産の管理その他の継続的な事務の処理を行う場合 |
月額30,000円以上100,000円以下
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裁判手続等を要する場合 |
本規程の他の条項に基づき算定された手数料、着手金又は報酬金の額 |
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遺言書作成 |
基本 |
遺産総額の0.1% ただし、50,000円を最低額とします。 |
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公正証書にする場合 |
遺産総額の0.1%に50,000円を加算した額 |
|||
特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と依頼者との協議により定める額 |
|||
遺言執行 |
基 本 |
300万円以下の場合 300,000円 |
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300万円を超え3,000万円以下の場合 2%+240,000円 |
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3,000万円を超え3億円以下の場合 1%+540,000円 |
||||
3億円を超える場合 0.5%+2,040,000円 |
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特に複雑又は特殊な事情がある場合 |
弁護士と受遺者との協議により定める額 |
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遺言執行に裁判手続を要する場合 |
遺言執行手数料とは別に、裁判手続きに要する弁護士報酬を請求することができます。 |
第5章 タイムチャージ
(タイムチャージ)
第32条 弁護士は、依頼者との協議により、受任する事件等に関し、第2章ないし第4章及び第7章の規定によらないで、1時間あたりの適正妥当な委任事務処理単価にその処理に要した時間(移動に要する時間を含みます。)を乗じた額を、弁護士報酬として受けることができます。ただし、別途成功報酬金を定めることを妨げるものではありません。
2 前項のタイムチャージは、事案の困難性、重大性、特殊性、新規性及び弁護士の熟練度等を考慮して定めるものとします。
3 弁護士は、タイムチャージにより弁護士報酬を受けるときは、あらかじめ依頼者から相当額を預かることができます。
第6章 顧問料
(顧問料)
第33条 顧問料は、次表のとおりとします。ただし、事業者については、事業の規模及び内容等を考慮して、その額を減額することができます。
法 人 |
月額50,000円以上 |
個 人 |
月額30,000円以上 |
2 顧問契約に基づく弁護士の業務の内容は、依頼者との協議により特に定めのある場合を除き、一般的な法律相談とします。
3 簡易な法律関係調査、簡易な契約書その他の書類の作成、簡易な書面鑑定、契約立会、従業員の法律相談、株主総会の指導又は立会、講演などの業務の内容並びに交通費及び通信費などの実費の支払等につき、弁護士は、依頼者と協議のうえ、顧問契約の内容を決定します。
第7章 日 当
(日当)
第34条 弁護士は、職務遂行のため移動時間に3時間以上を要する場合には、30,000円以上50,000円以下の日当の支払を受けるものとします。
2 前項にかかわらず、弁護士は、依頼者と協議のうえ、前項の額を適正妥当な範囲内で増減額することができます。
3 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から日当を預かることができます。
第8章 実 費
(実費等の負担)
第35条 弁護士は、依頼者に対し、弁護士報酬とは別に、収入印紙代、郵便切手代、謄写料、交通通信費、宿泊料、保証金、保管金、供託金、その他委任事務処理に要する実費等の負担を求めます。
2 弁護士は、概算により、あらかじめ依頼者から実費等を預かることができます。
(交通機関の利用)
第36条 弁護士は、出張のための交通機関については、最高運賃の等級を請求することができます。
附 則
1 平成26年4月1日施行、平成26年7月14日一部改定、平成26年9月22日一部改定、平成27年3月10日一部改定、平成27年7月29日一部改定、平成27年9月28日一部改定、平成28年5月23日一部改定、平成28年7月22日一部改定。
2 この規程の施行、改定の際、現に処理中の事件の弁護士報酬については、なお、従前の例によります。